ノートパソコンはYouTubeを見るだけという使い方がある

ノートパソコンといえば仕事や勉強に使うものというイメージがあるかもしれません。しかし実際には、YouTubeやNetflixなどの動画配信サービスを視聴するためだけに購入する方も増えています。スマートフォンやタブレットでも動画は見られますが、大画面で映像を楽しみたいという需要も少なくありません。

ノートパソコンで動画を視聴するメリットはいくつかあります。まず画面サイズの大きさが挙げられます。スマートフォンの6インチ前後の画面と比べると、15インチ以上のノートパソコンは迫力が段違いです。長時間の動画視聴でも目が疲れにくく、細かい映像表現まで楽しむことができます。

また、ノートパソコンはキーボードとトラックパッドが一体化しているため、ソファやベッドの上など好きな場所で使いやすいという利点もあります。デスクトップパソコンのように設置場所を固定する必要がなく、自由なスタイルで動画を楽しめることが可能です。

動画視聴のためだけにパソコンを買うことに「もったいない」と感じる方もいるかもしれません。しかしYouTubeを見るだけという用途であれば、高額な新しいモデルを選ぶ必要はありません。必要十分なスペックを見極めることで、無駄な出費を抑えつつ快適な視聴環境を整えることができます。

ノートパソコンでYouTubeを見るだけの方におすすめのスペック

YouTube視聴用のノートパソコンを選ぶ際には、どのスペックが重要でどれが不要なのかを理解しておくことが大切です。ここでは各項目について詳しく解説していきます。必要な基準を知っておけば無駄に高いパソコンを買わずに済みます。

15.6インチ以上

動画視聴を快適に行うなら、画面サイズは15.6インチ以上をおすすめします。この大きさがあれば映像に没入しやすく、字幕付きの動画でも文字が読みやすくなります。

13インチ程度のコンパクトなモデルも持ち運びには便利ですが、長時間の視聴には少し物足りなさを感じることがあるでしょう。

もちろん視聴距離や設置場所によっても適切なサイズは変わります。デスクの上に置いて近距離で見るなら14インチ程度でも十分ですが、ソファから少し離れた場所に置くような使い方なら17インチクラスも検討してみてください。

頻繁に持ち歩くなら1.5kg以下

自宅だけでなくカフェや出張先でも動画を楽しみたいなら、本体重量にも注目しましょう。目安としては1.5kg以下であれば持ち運びのストレスが軽減されます。2kgを超えるモデルはカバンに入れて長時間移動するには少々重く感じることが少なくないです。

ただし軽量モデルは画面サイズが小さくなる傾向があります。持ち運びやすさと視聴の快適さはトレードオフの関係にあるため、自分の使い方に合わせて優先順位を決めることが重要です。自宅での使用がメインなら重量よりも画面サイズを優先した方が満足度は高くなるでしょう。

高性能なCPUは必要ない

パソコンの頭脳にあたるCPUは、動画視聴だけならエントリークラスで十分です。Intel CeleronやPentium、AMD Athlon Silverといった低価格帯のCPUでも、YouTubeの1080p動画はスムーズに再生できます。

ブラウザで複数のタブを開きながら視聴するなど少し余裕を持たせたいなら、Intel Core i3やAMD Ryzen 3クラスがあれば快適に動作します。

Core i7やRyzen 7といった高性能CPUは動画編集やゲーム用途向けであり、視聴だけの用途ではオーバースペックになります。

メーカーが公表しているカタログスペックは理想的な条件での数値なので、実際の使用では7割程度と考えておくとよいでしょう。少なくとも8時間以上の公称値があれば、外出先でも問題なく使えます。

とはいえ自宅での使用がほとんどという方にとっては、バッテリー性能はそこまで重視しなくても構いません。コンセントにつないで使う前提であれば、その分の予算を画面の質やストレージ容量に回した方が賢い選択といえます。

高性能CPUを搭載したモデルは価格も跳ね上がるため、YouTube視聴がメインならその予算を他の部分に充てる方が合理的です。

保存のために大容量ストレージがほしい

YouTubeをオンラインで視聴するだけならストレージ容量はそれほど必要ありません。しかしYouTube Premiumでオフライン再生用に動画を保存したい場合や、他の用途でもパソコンを使う予定があるなら、ある程度の容量を確保しておくとよいでしょう。

現在はSSDが主流であり、HDDと比べて読み込み速度が圧倒的に速いのが特徴です。256GB以上のSSDを搭載したモデルを選べば、OSやアプリの動作もサクサク快適になります。予算に余裕があれば512GBを選んでおくと容量不足の心配がなくなります。

スピーカー性能にも注目する

YouTubeをより快適に楽しむためには、映像だけでなく音の聞きやすさも重要です。

ノートパソコンのスピーカーはモデルによって品質に大きな差があり、低価格帯の機種では音がこもったり、ボリュームを上げると割れやすかったりするケースも少なくありません。特に音楽系の動画や映画、実況動画をよく視聴する場合は、スピーカー性能が満足度につながります。

高音質を求めるなら、ステレオスピーカーを搭載したモデルや、音響ブランドと提携しているモデルが候補に入ります。声のクリアさや音の広がりが改善され、臨場感のあるサウンドを楽しむことができます。

とはいえ、内蔵スピーカーの性能には限界があるため、必要に応じて外付けスピーカーやBluetoothイヤホンを併用するのも効果的です。購入前にレビューやスペック表でスピーカーの評価を確認しておくと、失敗しにくくなります。

高性能なGPUは不要

GPU（グラフィックボード）は3Dゲームや動画編集には欠かせないパーツですが、YouTube視聴には専用GPUは不要です。CPUに内蔵されている統合グラフィックス機能だけで、4K動画の再生も問題なくこなせます。

GeForceやRadeonなどの独立したGPUを搭載したモデルは価格が高く、消費電力も大きくなります。動画を見るだけの用途であれば、GPU非搭載のモデルを選ぶことでコストを大幅に削減でき、その分のお金を画面の品質向上に回す方がYouTube視聴の満足度は上がるでしょう。

YouTubeを見るだけに使いたいノートパソコンの選び方

スペックの基準がわかったら、次は実際に映像を楽しむための画面品質に注目してみましょう。同じ解像度でも液晶パネルの種類によって見え方は大きく異なります。動画視聴の快適さを左右する重要なポイントを押さえておきましょう。

IPS液晶なら画像がきれい

ノートパソコンの液晶パネルにはいくつかの種類があり、動画視聴におすすめなのがIPS液晶です。IPS液晶は視野角が広く、斜めから画面を見ても色の変化が少ないのが特徴です。ソファに寝転がりながら見たり、家族や友人と一緒に画面を覗き込んだりする場面でも、きれいな映像を楽しめます。

また色の再現性にも優れているため、動画コンテンツの鮮やかな色彩を忠実に表示できます。TN液晶は応答速度が速いものの視野角が狭く、動画視聴には向いていません。IPS液晶を搭載したモデルを選ぶことで視聴体験が格段に向上します。

解像度はフルHD以上がおすすめ

解像度は画面の精細さを示す指標で、動画視聴の質に直結します。YouTube動画の多くはフルHD（1920×1080）で制作されているため、ディスプレイの解像度もフルHD以上であることが望ましいです。HD（1280×720）のディスプレイでは映像の細部がぼやけて見えることがあります。

より高画質を求めるならWQHD（2560×1440）や4K（3840×2160）という選択肢もありますが、15インチ程度の画面サイズではフルHDとの差を実感しにくいケースもあります。また高解像度モデルは価格も上がるため、YouTube視聴がメインならフルHDで十分に満足できるでしょう。

色域カバー率をチェックする

より美しい映像を楽しみたいなら、色域カバー率にも注目してみてください。色域とは表現できる色の範囲を示す指標で、sRGBカバー率が高いほど鮮やかで正確な色表現が可能になります。

Web用の標準色域であるsRGBを十分にカバーしているモデルを選べば、動画クリエイターが意図した色味をそのまま楽しむことができるのです。輝度も重要で、300nit以上あれば明るい部屋でも見やすくなります。ただしこれらの詳細スペックはエントリーモデルでは公開されていないこともあるため、上位モデルやレビュー記事を参考にするとよいでしょう。

YouTubeを見るだけのノートパソコンなら中古でも十分

ここまで読んで「YouTube視聴にはそれほど高いスペックが必要ないんだな」と感じた方も少なくないのではないでしょうか。実際そのとおりで、動画視聴に必要な性能は数年前のミドルクラスのパソコンでも十分に満たしています。つまり中古パソコンという選択肢がとても合理的なのです。

中古パソコンと聞くと「古くて性能が低いのでは」と心配になるかもしれません。しかしYouTubeのフルHD動画を再生するのに必要なスペックは、2018年頃に発売されたパソコンでもクリアしているものがほとんどです。新品で100,000円（税込）以上するスペックのパソコンが、中古なら3〜5万円程度（税込）で購入できることも珍しくありません。

動画編集やゲームなど負荷の高い作業をしないのであれば、新しい高性能パソコンを選ぶ必要はありません。中古市場には状態のよいパソコンが数多く流通しており、用途に合ったスペックの一台を見つけやすくなっています。賢く選べば新品の半額以下で満足のいく視聴環境を手に入れることができるでしょう。

中古ノートパソコンのメリット

中古パソコンには新品にはない魅力があります。ここでは中古を選ぶことで得られる具体的なメリットを紹介していきます。

価格が安い

中古パソコンのメリットは何といっても価格の安さです。新品では150,000円（税込）するようなビジネス向けの高品質モデルでも、中古なら3〜5万円（税込）程度で手に入ることがあります。これは発売から数年経過することで市場価値が下がるためです。

また浮いた予算でマウスや外付けスピーカーなどの周辺機器を購入することもできます。限られた予算のなかでより充実した視聴環境を整えたいなら、中古パソコンはとても賢い選択肢といえるでしょう。

信頼できる販売店なら保証がある

「中古は壊れやすいのでは」という不安を抱える方も少なくはないですが、信頼できる中古パソコン専門店なら購入後の保証が付いています。多くの専門店では動作確認やクリーニングを徹底して行い、一定期間の無償修理や交換に対応しているのです。

中古パソコンショップの平均的な保証期間は約3ヶ月ですが、店舗によっては180日間や1年間の長期保証を提供しているところもあり、保証が充実した店舗を選べば新品と同等に心配なく使い始めることができます。

傷を気にせずに持ち運びできる

中古パソコンならではの意外なメリットとして、傷を気にせず気軽に使えるという点があるのです。新品のパソコンは最初のうちはどうしても傷つけないよう慎重に扱いがちですが、中古なら多少の使用感があることが前提なので心理的なハードルが下がります。

カフェや公園など外出先での使用でも、「傷がついたらどうしよう」と心配する必要がありません。道具として割り切って使えるため、結果的にパソコンの活用頻度が上がるという方も少なくありません。

中古ノートパソコンを買う際に気を付けること

中古パソコンにはメリットが少なくない一方で、購入時に注意すべきポイントもあります。失敗しないためのチェックポイントを事前に把握しておきましょう。

ジャンク品を買わない

中古パソコンを探していると「ジャンク品」という表記を目にすることがあります。ジャンク品は動作保証がなく、故障しているものがほとんどです。大変安い価格で販売されていますが、修理の知識がある方やパーツ取り目的の方向けであり、一般ユーザーは手を出すべきではありません。

ジャンク品は基本的に返品も受け付けてもらえないため、購入後に問題が発覚しても対応してもらえません。動作保証のある商品を選ぶことが中古選びの大前提です。商品説明に「ジャンク」「現状渡し」と記載されているものは避けましょう。

信頼できる店舗を利用する

中古パソコンの品質は販売店によって大きく異なります。フリマアプリやオークションサイトでの個人間取引は価格が安い反面、動作確認が不十分だったりウイルスが残っていたりするリスクがあります。

中古パソコン専門店なら、熟練のスタッフが動作確認やクリーニングを行った上で販売しているため心配ありません。店舗選びの際は、会社情報が明記されているか、古物商許可番号が確認できるか、保証内容が明確かといった点をチェックしましょう。レビューを参考に使用感を確認することも有効です。

YouTube観賞用の中古ノートパソコンの購入なら

ここまで、YouTubeを見るだけの方向けに、ノートパソコンの選び方を解説してきました。

YouTubeを見るだけであれば中古パソコンがおすすめですが、「どこで購入するのがよいのだろう」と気になる方も少なくないのではないでしょうか。

中古市場にはさまざまな販売店があり、価格や品質、保証内容もお店によって大きく異なります。せっかく購入するなら、できるだけ状態が良く、安心感を持って使える一台を選ぶようにしましょう。