法人向けパソコンと個人向けの違いとは

法人向けと個人向けパソコンの違いを、具体的に説明できない方も少なくないかもしれません。両者は、さまざまな部分で違いが見られます。

主な違いとして、以下の項目が挙げられます。

• 利用環境と前提条件の違い
• 耐久性と外装構造の違い
• 保証内容とサポート体制の違い
• セキュリティ機能とOS仕様の違い

具体的にどのような違いがあるのか、以下で見ていきましょう。以下を見れば、ビジネスユースには法人向けパソコンの方が適しているとわかるでしょう。

利用環境と前提条件の違い

法人向けがビジネス仕様に作られているのは、個人向けパソコンとの大きな違いです。基本的なソフト以外にも、ビジネスに必要な専門的なソフトも入っています。

具体的にはCADや動画編集、プログラミング用のソフトです。ゲームをはじめ、プライベートで使用するソフトは含まれていません。

余計なソフトを入れないことで、システムが軽快に動作するのも法人向けパソコンの特徴です。業務目的に適した仕様のパソコンを購入するなら、法人向けのなかから選びましょう。

耐久性と外装構造の違い

法人向けパソコンは個人向けと比較して、耐久性に優れているものが多いのもポイントです。法人向けの場合、就業時間中パソコンを稼働する場合も少なくありません。

このような長時間の使用にも耐えられるように、個人向けよりもハイスペックなパーツを使用しています。また外出する際にパソコンを持ち運ぶこともあるでしょう。

携帯時にうっかり落としてしまうこともあるかもしれません。落としても簡単に壊れないように、筐体も強固に作られているものが主流なのも両者の違いの一つです。

保証内容とサポート体制の違い

法人向けパソコンは個人向けにはない、手厚いサポートや保証がついているのも違いといえます。トラブルが発生すると利益の逸失をはじめ、大きな損失を被る恐れがあるためです。

個人向けパソコンの場合、修理保証期間は1年が相場といわれています。一方法人向けを見ると、3年や5年の保証期間を設けているメーカーも少なくありません。

また電話によるサポートが24時間365日対応しているところも、法人向けパソコンの特徴です。たとえ祝日や深夜に不具合が発生しても、迅速な対応をお願いできます。

セキュリティ機能とOS仕様の違い

法人向けと個人向けの違いの一つに、OS仕様が挙げられます。法人向けには、セキュリティ対策の強固なOSが導入されているものが少なくありません。

具体的にはデータ暗号化機能や遠隔操作機能などです。また管理機能をはじめ、社内管理を前提とした機能も搭載されています。

法人では顧客情報をはじめ、漏洩してはならない重要な情報を管理しているでしょう。重要なデータを取り扱うのであれば、セキュリティに優れた法人向けパソコンを購入すべきです。

法人向けパソコンの特徴

法人向けパソコンにはどのような特徴があるのか、ここでは見ていきます。ビジネスユースに合わせてより特化された機種が主です。

例えば長時間連続使用しても不具合が起こらないように耐久性を重視した設計になっている、社内管理しやすい機能が搭載されているといった特徴が挙げられます。

法人向けパソコンの特徴を理解すれば、業務用を導入すべき理由も明確になるでしょう。

耐久性を重視した設計

法人向けパソコンの特徴で見逃せないのは、耐久性に優れている点です。ビジネスユースでは長時間連続使用したり、外出の際に持ち運んだりするでしょう。

内部構造や素材を工夫して、個人向けよりも耐久性に優れています。また筐体を強化して、移動中の振動や衝撃に耐えられる仕様になっているのも特徴の一つです。

法人向けパソコンが不具合を起こしたり故障したりすると、業務ができなくなります。安定して日常的にパソコンを使用したければ、法人向けの方が適しています。

管理や運用に適した機能

ビジネスユースでも快適に使用できるような設計になっているのも、法人向けパソコンの特徴です。業務によってはアプリやソフトを一度に多く動かす場合もあるでしょう。

そのためにハイスペックのCPUや大容量のメモリを導入した機種も、少なくありません。処理能力に優れているため、画像処理や資料作成も快適に作業できます。

また情報管理対策を行っているモデルが少なくないのも、法人向けパソコンの特徴です。情報漏洩やウイルス感染などは、経営に大きな影響を与えかねないためです。

個人向けパソコンの特徴

プライベートでの利用がメインの個人向けパソコンにはどのような特徴があるか、見ていきましょう。個人向けパソコンは、家庭での使用を前提にした機種です。

このため、見た目や価格を重視したモデルは少なくありません。また長時間利用しないライトユーザーでも手軽に購入できるパソコンが多いのも特徴です。

個人で使用するのには適しているものの、法人用のパソコンとして使用するのには不向きなこともある点は理解しておきましょう。

デザイン性と価格を重視した設計

デザインと価格が法人向けと個人向けには違いが見られます。個人向けの場合、デザインのバリエーションが法人と比較して豊富です。

法人用は機能面重視でデザインは二の次になる傾向が見られます。カラーもブラックやホワイトのようなシンプルなものが中心です。

法人用と比較して、個人用は低価格なモデルが中心なのも特徴といえます。法人向けは優れた耐久性や高品質なパーツを使用しているので、コストがかかるためです。

家庭や個人用途に適した機能

個人向けパソコンは、家庭での使用を前提にしています。コンパクトサイズで軽量なモデルが少なくありません。

一人暮らしのような限られたスペースでも圧迫しません。また部屋を移動しながら使用できるように軽量に仕上がっています。

個人向けパソコンの場合、フリーソフトや体験版が多くインストールされているのも特徴です。ビジネスユースでは不要なソフトも少なからず含まれています。

快適に使用するためには、余計なプリインストールソフトが入っていない法人向けの方が適しています。

法人向けパソコンと個人向けのスペック比較

法人向けと個人向けパソコンのどちらを購入しようか、まだ迷っている方もいるでしょう。そこでここではスペックにスポットを当てて比較していきます。

今回は以下の3つのポイントに絞って、法人向けと個人向けのスペックの違いを見ていきましょう。

• CPUとメモリ
• ストレージと拡張性
• 画面サイズと携帯性

この3つの項目で比較して、どちらを購入するのが自身にとってよりメリットがあるのか検討しましょう。

CPUとメモリ

パソコンの性能の一つであるCPUは、頭脳のような存在です。パソコンにデータや情報の処理を命令する能力を指します。

CPUを比較すると、法人向けの方がハイスペックです。CADのようなマシンパワーの必要なソフトの使用が多いためです。

メモリも個人向けと法人向けとは違いが見られます。メモリはデータを一時的に保存するための領域です。

法人向けパソコンの方が、大容量のメモリが搭載されています。大量のデータを扱うことも珍しくないためです。

ストレージと拡張性

ストレージも法人向けと個人向けとは異なります。補助記憶装置とも呼ばれ、長時間保存するためのデバイスです。

法人向けパソコンの方が、大容量のストレージが搭載されています。大量のデータを扱う必要があり、バックアップやセキュリティ対策も手厚くする必要があるためです。

法人向けと個人向けを比較した場合、拡張性も大きく異なります。法人向けはHDMIや有線LANなどが数多く搭載されていて、拡張性に優れた仕様です。

画面サイズと携帯性

サイズや携帯性を比較すると、法人向けも個人向けもあまり大きな違いはありません。ただ個人向けパソコンのなかには、液晶画面にこだわった機種も少なくありません。

個人向けの場合、動画視聴やゲーム目的で使用する方もいるためです。ストレスなく、快適に視聴するためにグラフィック性能にこだわったモデルも見られます。

また個人向けの方が、コンパクトで軽量で携帯しやすい機種も多く販売されています。ただ堅牢性の部分では、法人向けの方が強固です。

法人向けパソコンの選び方

法人向けパソコンを購入しようと考えても、一つに選べないという方もいるでしょう。法人向けに絞っても、まださまざまな機種があるためです。

法人向けパソコンを購入するにあたり、以下のポイントで比較して候補を絞り込みましょう。

• 用途に応じた性能を選択する
• 運用体制に合わせた構成を検討する
• 販売元の信頼性を確認する

具体的にどのように比較して購入すればよいか、以下でポイント別に解説します。

用途に応じた性能を選択する

法人用パソコン選びで、スペックはチェックしましょう。自分たちの用途に合わないスペックのパソコンを購入すると、使いにくくなるためです。

例えばメモリはデータを一時的に処理・保持するための領域です。自分たちの用途にマッチしたメモリ容量のものを購入しましょう。

普段使いがメインであれば、8GBもあれば十分です。ただ動画編集やCADなど大容量のツールを使用するのであれば、16〜32GBのメモリは必要です。

またストレージも、用途によって必要な容量は異なります。共有ドライブやクラウドを使っているなら、250GB程度のものでかまいません。

共有ドライブを使用していなければ、自身の端末で保存するため500GB以上のモデルから絞り込みましょう。

運用体制に合わせた構成を検討する

法人用パソコンを導入する前に、構成要件を考慮することも大切です。例えば搭載機能です。

もしオンラインミーティングの開催を検討しているのであれば、Webカメラの内蔵されているものを選びましょう。外付けカメラが必要なく、コスト削減につなげられます。

またデータをはじめ、数値入力を頻繁に行うのであれば、テンキーのついたパソコンがよいでしょう。

大切な情報を取り扱うのであれば、セキュリティ対策も必要です。セキュリティ上の脅威を想定して、対応したモデルを購入しましょう。

販売元の信頼性を確認する

法人向けパソコンを購入する際には、どのお店で探すかも重要です。フリマアプリやリサイクルショップではなく、専門業者から購入しましょう。

専門業者であれば、十分な耐久性や信頼性の確認された機種のみを取り扱っているためです。またパソコンに精通したスタッフが対応してくれます。

皆さんの用途に合わせた機種を提案してくれるでしょう。販売元のホームページやGoogleマップのレビューなどをベースに、信頼できるお店を探しましょう。

法人向けか個人向けかで迷ったときの優先順位

法人向けか個人向けかで悩んだのであれば、まずスペックで比較するのを忘れないことです。スペックが十分でなければ、作業効率性が悪化します。

逆にオーバースペックになってしまうと、コスパ低下を招きかねません。必要なスペックの目安をあらかじめチェックして、パソコンを探しましょう。

また1日あたりどの程度の時間パソコンを使用するかで、法人向けと個人向けを選ぶのもポイントの一つです。1日5〜6時間、またはそれ以上長時間の作業が必要であれば、法人向けパソコンがおすすめです。

法人向けパソコンは、長時間使用を前提に設計されています。よって長時間連続使用しても、そう簡単に壊れる心配もありません。

ある程度のスペックで、長期間故障せず使用できるパソコンを探しているのであれば、法人向けを選ぶのが賢明でしょう。

法人向けパソコンと個人向けの違いを知り用途に合うモデルを選ぶには

法人向けと個人向けパソコンでは外見上はあまり違いがなくても、スペックや耐久性などの部分で違いが見られます。

また万が一のサポート体制も法人向けの方が手厚いといわれています。

個人向けと比較して、法人向けパソコンは価格が高いかもしれません。ただし初期費用はかかるものの、スペックの高さやビジネス向けに特化しているのでコスパは高いでしょう。

法人向けパソコンを低価格で購入したければ、中古を買い求めるのも一考です。ただデータ管理やセキュリティ対応を考えると、信頼できる販売元から買い求めなければなりません。