パソコンの値段の平均はいくらくらい？

パソコンの値段を把握するうえで、まず市場全体の動向を確認しておくことが大切です。

MM総研が2025年2月に発表した調査によると、2024年の国内パソコン出荷金額は前年比17.4％増の1兆4721億円に達し、平均出荷単価は118,775円となりました。

円安による部品コストの上昇やハイスペックモデルへの需要増加が単価を押し上げている状況です。2025年10月に予定されているWindows 10のサポート終了を見据えた法人のPC入れ替え需要も、市場を活性化させる要因となっています。

デスクトップパソコン

デスクトップパソコンは設置場所が固定されるものの、同じ価格帯でノートパソコンより高い性能を得られる点が特徴です。

価格帯は30,000円台のエントリーモデルから200,000円以上のハイエンドモデルまで幅広く存在しますが、人気の価格帯は80,000円から120,000円ほどに集中する傾向があります。

事務作業や軽めの画像編集に十分対応できるスペックを備えた製品が多く、コストパフォーマンスの高い選択が可能です。

3DCGや本格的な動画編集を行う場合は150,000円以上、さらにクリエイティブ作業を主な用途とするなら200,000円以上の投資が必要になることもあります。用途に応じた予算設定が大切です。

ノートパソコン

ノートパソコンは携帯性を重視して設計されているため、同じスペックのデスクトップパソコンと比較すると価格が高くなる傾向にあります。

社会人向けの場合、ベーシックな事務用途には100,000円から150,000円、モバイルワーク重視なら150,000円から250,000円が相場です。

軽量性を求めると価格は上昇し、1kg未満の超軽量モバイルノートは200,000円を超えることも珍しくありません。持ち運び頻度や使用シーンを考慮して、必要なスペックと携帯性を見極めることが大切です。

パソコンの価格に影響する要素

パソコンの値段は搭載されているパーツの性能や機能によって決まります。

各要素が価格に与える影響を理解しておくと、高いスペックへの出費や必要な機能の見落としを防げます。

以下では、主要な7つの要素を詳しく解説します。

OS

OSはパソコンの基本ソフトウェアであり、WindowsとmacOSが市場の主流です。

Windowsはビジネスソフトとの互換性が高く、法人利用やオフィスワークで標準的な選択肢となっています。macOSはApple製品との連携に優れ、クリエイティブ分野で広く支持されています。

2025年10月にはWindows 10のサポートが終了予定のため、Windows 11搭載モデルへの移行需要が増加している状況です。

CPU

CPUはパソコンの処理速度を左右するパーツであり、価格への影響も大きい要素です。

主要なブランドとしてIntel CoreシリーズやAMD Ryzenシリーズがあり、いずれも性能に応じたグレード分けがなされています。

Word・Excel・メールやOffice作業にはCore i3で十分対応可能であり、複数アプリの同時使用や簡単な動画編集を行う場合はCore i5以上が一般的です。

本格的な映像制作や3D処理を行うならCore i7以上が望ましく、CPUのグレードが上がるほど価格も大きく上昇していきます。

自分の用途に対してオーバースペックなCPUを選ばないことが、コストを抑えるポイントです。

メモリ

メモリは作業中のデータを一時的に保持する部品であり、容量が大きいほど複数のアプリケーションを同時に動かしても動作が安定します。

現在のビジネスでは8GB以上や推奨16GB以上とされており、下回ると動作がもたつく原因になりかねません。

動画編集や大量のデータを扱う作業では、32GB以上が推奨されることがあります。

メモリは増設可能な機種もあるため、購入時に予算が限られている場合は後から追加する選択肢も検討できますが、機種によっては増設不可の場合もあるため事前確認が大切です。

ストレージ

ストレージはデータを保存する部品であり、現在はSSDが主流となっています。

SSDは従来のHDDと比較して読み書き速度が格段に速く、パソコンの起動時間やアプリケーションの動作速度に大きな影響を与えます。

容量は256GBが低いラインとされ、写真や動画を多く保存する場合は512GB以上を選ぶとよいでしょう。

大容量のデータを保管する必要がある場合は、外付けストレージやクラウドストレージとの活用も有効です。

ディスプレイ

ディスプレイは解像度やパネルの種類によって価格が変動します。解像度はフルHD（1920×1080）が標準的で、ビジネス用途には十分対応可能です。

高精細な4K解像度や、色再現性に優れた有機ELパネル、複数モニター出力機能などを搭載したモデルは価格が上がります。

ノートパソコンの場合は画面サイズも価格に影響し、13インチから15インチが携帯性と視認性のバランスがよいとされています。

作業効率を重視するなら大きめの画面、持ち運びを重視するならコンパクトな画面と、優先事項によって選び分けましょう。

Microsoft Officeの有無

ビジネスや学業で必須となることがあるMicrosoft Officeは、プリインストールの有無によって価格が20,000円から30,000円ほど変動します。

近年はMicrosoft 365のサブスクリプション契約が主流となっており、常に新しいバージョンを利用できる点がメリットです。

すでにMicrosoft 365を契約している場合や、Google Workspaceなど代替ソフトを使用する場合、Officeなしモデルを選んでコストを下げることも可能です。

サイズや重量

ノートパソコンは、軽量化やコンパクト化の技術が価格を押し上げる要因となっています。

毎日カバンに入れて持ち運ぶビジネスパーソンには1kg前後の超軽量モデルが推奨されますが、軽さを実現するための素材や設計技術が価格に反映されます。

自宅やオフィスに据え置きで使用する場合は、重量を気にする必要がなく、同じ予算でもより高性能なモデルを選べるでしょう。

持ち運び頻度を具体的にイメージしたうえで、軽量性に投資するかを判断するのがポイントです。

パソコンのユーザー別の値段相場

パソコンの用途は利用者によって大きく異なり、求められる性能も変わってきます。

適正な価格帯は、ユーザー層ごとに異なり、社会人・大学生・中高生の3つのカテゴリに分けて相場を解説します。

社会人向け

社会人がビジネスで使用するパソコンは、安定性と十分な処理能力が求められるでしょう。

NEC LAVIEによると、ベーシックな事務用途では100,000円から150,000円の価格が相場とされ、Core i5相当のCPUとメモリ16GBを搭載したモデルが選択可能です。

外出先での使用があるビジネスパーソンはモバイル重視で150,000円から250,000円、経営層やクリエイターなど高度な処理を必要とする場合は200,000円以上になります。

法人導入の場合は保守サポートやセキュリティ機能も考慮して、ビジネスモデルを選ぶことがポイントです。

大学生向け

大学生がパソコンを選ぶ際は、4年間の学生生活を通じて使い続けることを前提にスペックを検討する必要があります。

大学生向けのパソコンは100,000円前後が相場とされており、レポート作成やオンライン授業の受講には十分対応可能です。

理系学部で専門的なソフトウェアを使用する場合や映像制作を学ぶ学生はCore i5以上、メモリ16GB以上のスペックが望ましく、価格帯も150,000円前後に上がることがあります。

大学によっては推奨スペックを提示している場合もあるため、入学前に確認しておくとよいでしょう。

中高生向け

中高生のパソコン選びは、文部科学省が推進するGIGAスクール構想の端末仕様が一つの基準になります。

2024年4月に公表された第2期の低いスペック基準では、CPUはCeleron N4500以上メモリは8GB以上となりストレージは64GB以上と定められ、補助金は55,000円/台とされています。

中高生向けパソコンの相場は50,000円から100,000円ほどが目安となるでしょう。学校指定の端末がある場合は指定に従い、家庭学習用として別途購入する場合は用途に合わせて検討するのがポイントです。

パソコンを選ぶポイント

パソコン選びで失敗しないためには、まず使用目的を明確にすることが大切です。

事務作業が中心なのか、動画編集やプログラミングを行うのか、外出先に持ち運ぶ頻度を具体的に整理しましょう。

使用目的が定まれば、必要なCPU性能やメモリ容量、ストレージの種類と容量が自然と見えてきます。

メーカーのサポート体制も重要な検討項目です。故障時の修理対応や電話・チャットでの問い合わせ窓口の有無は、長く使い続けるうえで安心感につながります。

価格だけで判断せず、総合的な観点から自分に合った一台を見つけましょう。

安い値段で購入するなら中古パソコンも視野に入れる

パソコンの導入コストを抑えたい場合、中古パソコンは合理的な選択肢として検討する価値があります。

日本経済新聞の報道によると、新しいパソコンの価格高騰を受けて、企業が中古品で調達する動きが増加しています。

中古パソコンには新品より安価で生産終了した過去モデルが手に入る、環境負荷が低いなど複数のメリットがあり、市場規模は100,000,000,000円を超えるとの見方もあるほどです。

バッテリーの劣化や外装の使用感はデメリットとして認識しておくとよいでしょう。

中古パソコンを購入する際は、検査体制が整った信頼できる専門店を選ぶことが大切です。保証期間の有無やデータ消去の実施状況なども確認すべきポイントとなります。

中古パソコンの値段の平均はいくらくらい？

中古パソコンの何よりの魅力は価格です。新品と比較して大幅に安く、同じスペックでも半額以下で手に入るケースも珍しくありません。

特に発売から2年〜3年経過したモデルは値下がり幅が大きく、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。中古市場の価格相場を確認しておくとよいでしょう。

デスクトップパソコン

中古デスクトップパソコンは、法人からのリースアップ品が多く市場に流通しています。

オークファンの調査によると、中古デスクトップパソコンの平均販売単価は18,107円で、7四半期ぶりの高水準とされています。

新品と比較すると手頃な価格であり、事務作業やインターネット閲覧が中心の場合は、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。

ノートパソコン

中古ノートパソコンは携帯性と価格のバランスで多くのユーザーに選ばれています。

日本経済新聞によると、企業が調達する中古パソコンの価格は2025年5月時点で約37,800円となっており、前年12月比で24％上昇した水準です。

新品価格の高騰に連動して中古価格も上昇傾向にありますが、新品と比較すると大幅に安価であり、予算を抑えたいユーザーにとっては有力な選択肢となっています。

使用目的に合ったパソコンをお得な値段で購入したいなら

本記事で解説したとおり、パソコンの価格はスペックや用途によって大きく異なり、必要十分な性能を見極めることが賢い買い物の第一歩です。

新品にこだわらず中古パソコンも視野に入れることで、限られた予算内でより高性能なモデルを手に入れることも可能になります。

中古パソコンを選ぶ際は、問屋として豊富な在庫を保有し一台一台丁寧な検査や整備を行い全台データの消去を徹底している専門店をおすすめします。

保証やサポート体制が整った販売店を選び、用途に合った一台を見つけてください。