法人パソコンを買うなら中古と新品どっち?

法人パソコンの購入では、価格に加え性能や保証、用途など多角的な視点で比較する必要があります。

新品が無難だと感じる一方で、予算面から中古も気になる担当者の方は多いかもしれません。

しかしどちらが優れているかは一概に判断できるものではなく、自社の利用目的や予算、調達規模によって選び方は変わってきます。

中古パソコンには価格面での優位性があり、新品パソコンには新しい技術や長期保証の強みがある点が特徴です。

大切なのは、それぞれの特徴を理解したうえで、自社のニーズに合った選択をすることでしょう。まずは先入観を持たず、公平な視点で両者を比較してみましょう。

中古パソコンの特徴

中古パソコンに対して安いけれど品質が心配、そんなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、法人利用では中古パソコンならではのメリットが多数存在します。以下で詳しく説明するので、具体的な利点を確認してみましょう。

価格が安い

中古パソコンで特に魅力的なのは、なんといっても価格の安さにあります。

新品と比べると、同等のスペックでも半額以下で購入できるケースが珍しくありません。

問屋による大量調達品は、市場価格よりもさらに低価格で提供されており、限られた予算内で多くの台数を揃えたい法人にとって大きなメリットとなるでしょう。

リースアップ品やメーカー整備品など、品質が担保された中古品を選べば、コストパフォーマンスの高い調達が実現できます。

選択肢が広い

中古市場には、すでに生産が終了した機種や特定のスペックを持つモデルなど、新品市場では手に入らない豊富な選択肢が揃っています。

業務内容に合わせて細かくスペックを選定できるため、過剰な性能に予算を割くこともなく、必要十分な機器を調達できることが特徴です。

大量調達の際にも、同一機種を揃えやすいメリットがあり、管理やメンテナンスの負担を軽減できます。

余計なアプリケーションが入っていない

新品パソコンには、メーカー独自のソフトウェアや試用版アプリケーションがプリインストールされているケースがあります。

これらは業務では使わないことも多く、削除する手間がかかるでしょう。

一方、中古パソコンはデータ消去が行われたクリーンな状態で提供されるため、必要なソフトウェアだけをインストールして使い始められます。

セキュリティ面でも余計なソフトが入っていない方が管理しやすく、法人利用に適した環境を構築できます。

大量導入がしやすい

法人でパソコンを調達する際には、複数台から数十台単位での導入が必要になるケースもあるでしょう。

中古パソコンを扱う販売店は豊富な在庫を持っているため、必要な台数を一度に確保できます。

新品では納期がかかる場合でも、中古なら即座に調達できる可能性が高く、急な増員やプロジェクト立ち上げにも柔軟に対応できる点が魅力です。

同一機種をまとめて購入すれば、管理の効率化にもつながります。

新品パソコンの特徴

新品パソコンには、中古にはない独自の強みがあります。

長期的な運用を前提とした購入や、新しい技術が必要な業務では新品の選択が合理的な場合もあるでしょう。以下で詳しく説明していくので、それぞれの利点を確認してみましょう。

メーカー保証が付いている

新品パソコンには、通常1年程度のメーカー保証が付帯しています。

故障時には無償修理や交換が受けられるため、導入後のトラブルにも落ち着いて対応できます。

法人向けモデルでは、オンサイト修理や代替機の提供などの手厚いサポートを選ぶことが可能です。

長期的に使用する前提であれば、保証によるリスクヘッジは重要な要素の一つです。

新しいテクノロジーを搭載している

新品パソコンには、新しいCPUやメモリ、高速なSSDなどの技術が搭載されています。

処理速度やセキュリティ機能では、旧世代の機器よりも優れた性能を発揮する点が特徴です。

グラフィックス性能や省電力性能など、業務内容によっては新しい技術が必要になる場面もあるでしょう。

AI関連の業務や高度なデータ処理を行う場合には、新品の選択が適している場合もあります。

長期的な運用に向いている

新品パソコンは未使用品であるため、部品の劣化やバッテリーの消耗の心配がありません。

長期運用を想定している場合には、新品の方が安定性のある稼働が期待できます。

また、OSのサポート期間も長く確保できるため、セキュリティアップデートを受け続けられる期間が長いことも利点です。

減価償却の観点からも、長期利用を前提とした投資判断がしやすいでしょう。

法人パソコンの必要スペックの目安

法人向けパソコンを選ぶ際には、業務内容に合った適切なスペックを見極めることが重要です。

過剰な性能に予算を割くのも、不足した性能で業務に支障が出るのも避けたい部分があります。以下で詳しく説明するので、各項目の基準を確認してみましょう。

OS

法人利用では、Windows 11が主流となっています。Windows 10は2025年10月14日でサポート終了のため、注意が必要です。

MacOSは特定の業種や職種で必要になる場合もありますが、社内の既存システムとの互換性を確認しておく必要があります。

OSのサポート期間を意識して選択すれば、セキュリティ面でも落ち着いて運用できるでしょう。

CPU

CPUはパソコンの処理能力を左右する重要な部分です。一般的な事務作業であれば、Intel Core i5やAMD Ryzen 5クラスで十分な性能を発揮します。

文書作成やメール対応、Webブラウジングが中心なら、これらのエントリーモデルでも快適に作業できます。

一方データ分析や動画編集、複数のアプリケーションを同時に使う業務では、Core i7やRyzen 7以上を選ぶと処理がスムーズです。

メモリ

メモリは、複数のソフトウェアを同時に動かす際の快適さに影響します。

少なくとも8GBは確保したいところですが、複数のアプリケーションを並行して使用する場合には、16GB以上がおすすめです。

ブラウザで多数のタブを開いたり、ExcelやWordを同時に使ったりする業務では、メモリ容量が不足すると動作が遅くなる原因になります。

予算に余裕があれば、将来的な業務拡張も考慮して多めに確保しておくとよいでしょう。

ストレージ

ストレージには、HDDとSSDの2種類があります。近年はSSDが主流となっており、起動速度やデータ読み書きの速さで大きな差が出るのが特徴です。

容量は256GBあれば基本的な業務には対応できますが、大量のファイルを扱う部署では512GB以上が望ましいでしょう。

クラウドストレージを併用する場合には、ローカルストレージは少なくても問題ありませんが、オフライン作業が多い環境では余裕を持った容量の選択が必要です。

法人パソコンは中古と新品どっちがお得?

ここまで中古と新品それぞれの特徴を見てきましたが、結局どちらがコストパフォーマンスに優れているのか気になるところです。

実は、業務用途や予算、調達規模によって選び方は変わってきます。一般的な事務作業が中心であれば、必要十分なスペックを持つ中古パソコンで業務に支障はありません。

問屋が大量調達した中古品は、品質管理がしっかり行われたうえで市場価格より安く提供されているため、コスト面での優位性が際立ちます。

一方、新しい技術が必要な専門業務や、長期運用を前提とする場合には新品の方が総合的なコストで有利になる可能性もあるでしょう。

使用期間を見極めたうえで、価格差を考慮すると中古の方が圧倒的にお得になるケースが多く見られます。

中古の法人パソコンを購入する際の注意点

中古パソコンの魅力を理解しても、品質面や保証内容に不安を感じる方もいるでしょう。

失敗しない購入のためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

以下で詳しく説明するので、それぞれの確認項目をチェックしてみましょう。

信頼できる販売店で購入する

中古パソコン購入で大切なのは、信頼できる販売店を選ぶことです。

データ消去やクリーニング、動作確認の品質管理を徹底している事業者なら、不安なく購入できます。

法人向けに経験のある専門店や、問屋として大量調達を行っている業者は、品質基準が明確で在庫も豊富です。

購入後のサポート体制が整っているかも重要なポイントとなるため、事前に確認しておきましょう。

付属品や保証内容を確認する

中古パソコンを購入する際には、ACアダプターやバッテリー、リカバリメディアの付属品の有無を確認しましょう。

また、保証期間や保証内容も販売店によって異なるため、事前に把握しておく必要があります。

30日から90日程度の保証が付いていれば、初期不良にも対応してもらえるため安心感を持って導入できます。

大量導入の場合には、不良品が出た際の交換対応に関しても事前に取り決めておくことがおすすめです。

動作状態を確認する

購入前には、実際の動作状態をできる限り確認しましょう。

画面の表示や、キーボードやタッチパッドの反応、USBポートの動作などの基本的な機能が正常に働くかチェックしておくことが大切です。

可能であれば、実機を確認できる販売店を選ぶと落ち着いて判断できます。ネット購入の場合でも、到着後すぐに動作確認を行い、問題があれば早めに販売店への連絡をおすすめします。

OSやソフトの正規ライセンスを確認する

中古パソコンを購入する際には、OSやOfficeソフトの正規ライセンスを確認しましょう。

不正なライセンスが使われている場合、法人として大きなリスクを抱えることになります。

信頼できる販売店では、正規ライセンス認証済みの製品を扱っており、プロダクトキーやCOAラベルの確認もできる点が特徴です。

Microsoft Officeに関しては、別途ライセンスを購入する必要がある場合もあるため、事前に確認してみましょう。

法人パソコンは中古で賢く選ぼう

法人向けパソコンの調達では、価格と品質、在庫量のバランスが取れた選択が求められます。

中古パソコンは、これらの要素を高い水準で満たせる合理的な選択肢となるでしょう。

一般的な事務作業が中心であれば、必要十分なスペックを持つ中古品で十分に業務をこなせます。

問屋の調達力を持つ販売店なら、品質管理が徹底された製品を安定的に供給してもらえるため、大量導入の際にも落ち着いて進めることが可能です。

データ消去や動作確認、保証の基本的なサービスが整っていれば、中古品でも法人利用に十分耐え得る品質を確保できます。

コストを抑えながら必要な台数を揃えたい法人の担当者にとって、中古パソコンは魅力的な選択肢です。